風と踊ろう
心も体も内側からしなやかにして踊ろう
バレエ

溶ける手で踊る 3月バレエレッスンのポイント

「体の中の卵を探してみましょう。」とバレエのレッスンで子どもたちの声をかけると、

「あった!ここ!」

「ここも!」

と、色んなコロコロするところを教えてくれます。

肘、膝、くるぶし、手首・・・。

小さいけど、指の関節も。

関節には、まあるい卵が入っているみたいに、コロコロしていますよね。

そういう関節一つ一つを、卵を温かく包むようにやさしく揺すって、そこが溶けるようにほぐしていきます。

そうすると、関節の動きが滑らかになり、踊りもしなやかになっていきます。

 

関節の動きを滑らかに

関節の固い人


最近、関節の固い方が増えてきて心配しています。

足首が固い、首が固い、肩が回らない・・・。

洋風の生活になり、柔らかい畳の上を歩いたり、正座をするために立ったり座ったりが少なくなったことも原因の一つです。

正座をすると、嫌でも足首の前側が伸びますし、そこから立つためには、足首を立て、足の指をしっかりと開いて、土踏まずも伸ばしてからでないと動けません。

床から立ったり、座ったりするだけで、足全体をよく使い、かなりの運動になるのですが、椅子から立ったり、座ったりでは、そこまで足首や足の指、足全体を使うことにはなりません。

パソコンやスマホを長時間使うせいで、首を固めていたり、指を固くするような使い方をしていたりの影響も大きいです。

昔のように、手首をひねる動作をする機会も失われています。蛇口やドアノブはひねらなくてもよくなっているものの多く、雑巾がけや洗濯で布を絞るという事も少なくなっているのではないでしょうか?

関節は使わないとどんどん固くなってしまいます。

色んな方向に動けるように稼働域を広げておくと、踊りが美しくなるだけでなく、ケガもしにくくなります。

 

肘の関節を柔らかくする

肘を例に見てみましょう。

バレエの腕の動きで、肘は大変重要な役割をするのですが、肘が滑らかに動くと、腕の動き全体がとてもしなやかで優しい表情を出してきます。

逆に肘が固いと、(よく見かけるのです)まるで棒が入ったような腕です。

直線的で、ロボット的な動きです。

肘が自由に動かないと、見た目が悪いだけでなく、とても踊りにくいです。

バレエでは、体がぐらつかないように、肘の位置で体を支えることもあります。

ターンをするときも、肘を軽く押すようにして動くと回りやすくなります。

ジャンプも肘で、体を引っ張りあげたりするのです。

正しいポジションで肘を使うことで、ずいぶんと踊りやすくなります。

正しいポジションを教えることも大切なのですが、それ以上に体の中身を柔らかくして、固くなりがちな関節を溶かし、溶けた関節を動かす気持ちよさを感じることの方がずっと大切です。

肘の中の卵をふわっと包んで、温め優しく揺すってみましょう。

それだけでも気持ちがいいですね。

卵がトロトロの温泉卵のようになったら、肘から手を動かしてみましょう。

ずいぶんと動きやすくなっているのを感じられるはずです。

動かせば動かすほど、体がどんどん溶けて、しなやかに滑らかに踊れるようになり、踊れば踊るほど、体が楽になり、のびやかになるというのが理想です。

 

関節を柔らかくする体ほぐし


『風と踊ろう』では、レッスンの初めに必ず体ほぐしをしています。

自分で自分を元気にする一人ほぐしのあとは、二人組でほぐし合います。

一人がうつ伏せに寝て、もう一人は自分の手を温めて、寝ている人の背骨にふわっとちょうちょがとまるように手をのせます。

そして、背骨がよく動くように揺らすのですが、その時の揺らす手が溶けていることが大切です。

力を抜いて、自分の手と相手の背中が溶けて一つになった感覚があるとお互いが気持ちいいのです。

お互いの柔らかさ、温かさが伝わり、ほっと安心するひとときです。

安心すると息が緩んで、体がさらに温かく柔らかくなります。

温かく柔らかくなった手で関節周り、肘や手首などを両手ではさんでコロコロ転がすと関節がほぐれ、稼働域が広がります。

指の関節一つ一つを揺すると指の動きもよくなります。ばね指、へバーデン関節症、腱鞘炎の予防にもなります。

関節がほぐれた体で踊ると、ほぐす前と比べてどれだけしなやかに動けることでしょう。

エネルギーがスムーズに流れます。

一緒に体ほぐしをして、踊ってみませんか?

3月のバレエは特に、肘を溶かして踊る練習をしています。

 

また、親子遊びでは、ちょうちょを使って手首を柔らかくする遊びもしていきます。

春の歌を歌いながら、本物のちょうちょのように軽やかに、指先に着けたオーガンジーの蝶をひらひらと飛ばしてみましょう。

蝶の羽が手をどのように動かせば美しく舞うのかを試してみましょう。

蝶の羽がふわふわと動くようになれば、心も体もふわふわの温かく柔らかい春になっていることでしょう。

3月の親子遊び

日時  3月19日(日)10:00~11:00
場所  自由ヶ丘コミュニティーセンター和室
参加費 1家族1000円(大人のみの参加もOK)

春をいっぱいに感じる楽しい時間です。一緒に遊べるのを楽しみにしています。

ABOUT ME
大塚 祐三子
風と踊ろう代表。外での野外ダンス、創作ダンス、マタニティ、大人の表現活動などの舞台をやっています。