8月のレッスンポイント~足首を柔らかく~

バレエでは、しなやかに足を動かして、床をすべるように動くことや、つま先立ちでバランスをとったり、大きくジャンプをしたり、と様々な動きをします。どれをするにも、大切なのは足のやわらかさです。

ところが、最近、足首が固い人を増えているようで気になります。

ウォ―ミング・アップのとき、しゃがめない。

プリエで下までスムーズに腰を落とせない。

ドゥミ・プリエで少ししか曲がらない。

走ったり、ジャンプをしたりすると、ドスドスと音がする。

踊ったら、足が痛くなる。

などの様々な困ったことが、バレエのレッスン中に起きています。

特にプリエはバレエで最も大切な動きであり、これがスムーズにできないと、どの動きも上手くできないことになります。

柔らかな足を手に入れて、もっと自由に楽に踊れるようになりましょう。

足首が固くなる原因

では、どうして足首が固くなってしまうのでしょう?

大きな原因の一つに椅子の生活があります。

畳の部屋で座卓で食事をしている場合は、何度も立ったり座ったりの動作が否応でも入ってきます。

正座をしていると、足首の前面が伸びます。そこから立ち上がるときに、指を立てます。この時、指は広がり、指の付け根はよく曲がり、足の裏やアキレス腱がストレッチされます。片膝を立て、立ち上がるのに、かなり筋肉も使います。

椅子からの立ち上がりでは、足首はほとんど使われず、筋肉の使われ方も少なくなります。

そして、畳は床より柔らかいので、柔らかいものの上に触れている足の裏が柔らかくなります。足の裏が柔らかいと足首や上半身も柔らかくなります。

固いコンクリートの上をハイヒールなどで歩くと、足はカチカチ、体全体も固くなり、頭まで痛くなることもあります。

最近は、畳の部屋がない家も増えているようですが、足の柔らかさを保つには、柔らかい床の上で座ったり立ったりする機会を増やすことも考えてみてください。

もう一つは靴を長く履いていることも考えられます。

草履だと、靴に指を締め付けられることもなく、指はのびのびとよく動きます。

裸足で砂浜や芝生の上を歩くとよくわかります。

裸足だと、指の一本一本をよく蹴れますが、靴の中では、足はひとかたまりのような感じで、指のことなんか意識されていないのではないでしょうか?

足の裏もセンサーのように、冷たい、固い、濡れているなどいっぱい感じられますが、靴だとそんなことも少ないですね。固く鈍感なロボットみたいな足の裏になっていませんか?

また、足首を使って歩ける場所が少なくなりました。舗装された道路、階段、平らなところを歩くのがほとんどではないですか?斜面やでこぼこ道を歩くと足首は微調整をしながら歩くのを助けてくれます。足首が柔らかくないと、そんな場所は歩きにくくてたまりません。

昔に比べると、ずいぶんと足の裏で感じ、足首をしなやかに使う機会が失われてきているのがわかりますね。

足をほぐそう!

色んなほぐし方がありますが、大切なことは足首が固いから、足首だけをほぐすというのは間違いです。

全身がよくほぐれて、全身の血液や体液や神経の通りがいいということが大切です。

①足の裏を柔らかく

手を温めて、そっと足を包んでみましょう。

温かいですか?固くないですか?

優しくなでで、「毎日支えてくれてありがとう。」と感謝しながらほぐします。

お芋を洗うように、中身がよくほぐれるように、両手で包んでころころとほぐします。

第二の土ふまずに指先を入れ、縦、横に細かく揺すります。

手を温めて、踵を包む温泉卵も気持ちいいですね。踵がトロトロの温泉卵になるイメージを持ってやってみましょう。

②足の指がよく動くように

指を一本ずつ関節ごとに、コロコロとひねったり、ぶらぶらと揺すったりします。

指は足首くらいから出でいると思ってほぐします。

指と指の間も先端に向かって、よく開くように、指の股をほぐします。

足の指の間に手の指をぐっと深く入れて前後に大きく動かします。このとき、足の甲が伸びたり、アキレス腱が伸びたりするのを感じてください。

足首回しもしましょう。

③足首と全身をつなげてほぐす

仰向けに寝て、片膝を立てます。伸びている脚の足先でイケイケ、コイコイをします。

曲げてある足首を伸ばしながら足先であっちへ行け!という感じで伸ばすと、体の水が足先の方へ行き、足先を立てながらおいでおいでをするように動かすとその水が頭の方へ来るという運動なのですが、全身の水が体中を行ったり来たりしてよくほぐれます。

文章で説明するのは、難しいので、レッスンでやってみましょう。

④こまめにプラプラ

立っているとき、座っているとき、横になっているとき、色んな角度で足を振りましょう。

プラプラと揺すったら、トロトロ~と溶けるを繰り返します。

どの足ほぐしも、声を出しながら、リラックスして行います。声を出すことで脳の抑制が取れ、体が柔らかくなります。

⑤足首のストレッチ

アキレス腱を伸ばす色んなストレッチがありますが、アキレス腱を伸ばしたら、足の甲も伸ばすというように、一方向にだけストレッチをかけず、反対側もセットで伸ばすようにしてください。

痛いと体は固くなりますので、気持ちよくストレッチしてください。

日常生活での工夫

①歩き方

日頃の自分の歩き方、足音に気をつけてみてください。

ドスドス歩いていると、踵が固くなり、全身も固くなります。

自分の身体をやさしく守るように、ふわふわと歩いてみましょう。

足の裏を感じて、指がよく動いているかも感じてみましょう。

ちょっと意識するだけで、優しく歩けるようになりますよ。

②雑巾がけ

掃除機をたまには雑巾に変えてみませんか?

裸足で雑巾がけをすると、足の指も足首もしっかりと使え、筋トレにもなります。

③同じ姿勢を続けない

同じ姿勢で長くいると、血行も悪くなり、体が固くなりがちです。

20分くらい同じ姿勢で作業をしたら、ちょっと姿勢を変えて、体をゆすって、固くなった部分をほどくようにしましょう。

④全身をほぐす

一日一回は一人ほぐしをする時間をもうけましょう。おすすめはあくびをたくさんしながら30分くらいの身体ほぐしです。バレエの前のウォーミングアップも30分はするのですが、今から踊るぞ!というときは交感神経優位です。

副交感神経優位な状態で体ほぐしを30分くらいすると、あくびはたくさん出るし、涙や咳や色々出て、よくほぐれます。

こまめにほぐすことも大切ですが、まとめて全身をほぐすことを是非やってみてください。

まとめ

柔らかい足でそっと歩くことは、自分の身体を大切にすることにつながります。

毎日自分の体重を支えてくれている足を大切にケアして、しなやかな体を手に入れましょう。

ストレッチや基礎練習をする前に、柔らかい足を作り、足で感じ、床をつかみ、気持ちよく自由に踊れるようになってください。