音への感性を高める

高校英語教諭から始め、その後数回職場を変えながら英語教え続けて、33年が過ぎます。

私の英語の勉強は中1から始めた『ラジオ英語会話』がメインでした。

中1の夏休み、1か月ホームステイに行かせてもらい、

「通じない!」

ことに、かなりショックを受け、その後の勉強の仕方が変わったのを覚えています。

”そっくりに発音しないと通じない”ことを、たたきこまれ、ラジオの発音に集中して練習しました。

 

日本語の持つ周波数と英語の周波数がかなり違っているため、日本人は英語が聞けない、話せないと言われ続けています。

でも改善しているのでしょうか?

随分昔からそう言われてきて、だから早期英語教育が必要ということなんですよね。

2021年の習い事ランキングでも、英会話は第3位。

ちなみに、1位が通信教育・塾、2位がスイミング。

そして、『風と踊ろう』のダンス・バレエは11位。

もちろん、英語は大切です。

わたしだって、ロンドンやニューヨークでのレッスンや観劇にどれほど

「英語ができてよかった!」

と思ったことか!

インドやバリ島でヨガや民族舞踊を習ったときだって、英語で習いました。

英語ができるから、だれとでも話せて、なんでもできて、とっても自由!と感じています。

というより、英語ができないと困る!

ですが、英語を聞ける耳を育てる前にもっと大切なことがあると思います。

それは”繊細な音を聞き取る耳を育てること”。

繊細な耳とは?

赤ちゃんの耳が語学に適しているのはご存じですよね?

どんな言語の周波数を聞くこともできます。

それが、6才を過ぎるころから、常日頃聞いていない音は聞かなくてもいいと、耳がフィルターをかけてしまいます。

だから英語も早期教育が必要なんですよね。

そんな繊細な赤ちゃんの耳を大切に育てていますか?

英語を上手にしようといっぱい英語漬けにしていませんか?

刺激の強い音や光を与えすぎてはいませんか?

赤ちゃんが喜ぶ音はなんでしょう?

もっと聞きたい音、心地よい音があると耳は開いていくのです。

ママや家族の優しく穏やかで温かな声に包まれているといいですね。

愛がいっぱいの子守歌を聞きながら、安心して眠るというのは、赤ちゃんじゃなくても幸せですよね。

赤ちゃんの泣き声で、赤ちゃんの気持ちがわかりますよね。

眠いのかな?

おむつが濡れて気持ち悪いのかな?

甘えたいのかな?

お腹すいたのかな?

動物の声も色々変わりますよね。

花や木の歌が聞こえるという方がいらっしゃいます。

わたしには残念ながら聞こえないけど、歌っているんだろうな~と思います。

そんな歌が聞こえたらいいな・・・。

植物の気持ちがわかるようになったらうれしいな・・・。

自然の中で踊るとき、たまに

「いくつの音が聞こえるかな?」

というのをやります。

聞こえてくる音に集中すると、かすかな音までいくつも聞こえてきます。

心地よい風の音や鳥の声に耳がどんどん開いていく感覚があります。

みなさんの聞きたい音、好きな音はなんですか?

水の流れる音。

お湯が沸く音。

火が燃える音。

天ぷらを揚げる音!?

鈴の音。

バイオリンの音。

逆を考えてみましょう。

耳を閉ざす音はなんですか?

突発性難聴になったことがあります。

電話で嫌なことをまくしたてられて、そのあと耳が聞こえにくくなりました。

いつも、叱られたり、愚痴を言われたりしていたら、耳を固く閉ざして、聞かなくてすむようにします。

騒音からも自分の身を守らなくてはなりません。

耳が固くないですか?

『風と踊ろう』が取り入れている『ボディートーク』を作られた増田先生はバイオリニストです。

バイオリニストに耳で作られたのが『ボディートーク』です。

背中をたたいていると、音が変わることに気がつかれて、しかも失恋をした人は必ずここで詰まった音がすることがわかり、それからたくさんの心と体の結びつきを発見されました。

体の声に耳を澄ますことが大切な『ボディートーク』。

その勉強のために、先生からバイオリンを習いました。

まずは鈴虫の音から練習。

バイオリンが喜ぶように音を出します。

習い事へ話が戻りますが、耳を育てるにはバイオリンがいいです。

自分で音を探さなくてはならないので、本当にいい耳が育つと思います。

繊細で柔らかな体でないと、音がぎーぎーするので、耳だけでなく体も変わらなくてはいい音が出せません。

そんな先生の耳だから、牛の声やカラスの声に惹かれて、人間だってそれを真似すると体がほぐれることを発見されたのです。

今、『ボディートーク』の朗読を学ぶにあたって、体ほぐしはもちろん、全身を使っての発声、湯気の声、子守歌などを練習しています。

聞く人に分かりやすく、イメージが伝わるように言葉の一つ一つを大切に発音します。

赤ちゃんの耳に少しでも近づけるように、自分自身にも、温かく穏やかで柔らかい声を聞かせるようにしています。

「教師たるもの、生徒の前に立つ前には、必ず発声練習をし、明るく温かな声で生徒を迎えるように。」

と教えていただいてます。

父の耳が遠くなってきました。

「そろそろ補聴器を買わなくてはならないなぁ~。」

と、父。

「耳をほぐして、牛の声とかしてほしいな~。」

と、するわけないかと思いつつ、牛の声の響きがどんなにすごいかを説明するわたし。

せめて、父の聞きたい声にして、電話をかけよう。

と、体ほぐしをして、発声練習をして、電話をかけるようにしています。

みなさんも自分自身と周りの人と同時にできる体ほぐし、心ほぐししてみませんか?

離れていても、声でそれができるってうれしいですよね。

穏やかで温かい声がいっぱいの社会になったら、もっと聞きたい声がいっぱいになったら、笑顔がいっぱい増えますね。