茶道がなぜバレエに役立つか⁈

茶道が学校の必修科目になればいいのに!と、真剣に思っています。

茶道を始めて9年になりますが、どれだけたくさんの素晴らしい学びがあるかわかりません。

せめて、私が教えているバレエの生徒には体験してほしいと、毎年お茶を体験してもらっています。

 

 

茶道もバレエも総合芸術

 

何がそんなに学べるのかを述べてみたいと思います。

表現をするためには、全身で感じる、五感を通して感じる様々な体験をすることが大切です。

その体験があるから、私はこれが好き!こんな風に表現したい!というところにつながっていきます。

 

 

 

*視覚

茶室に入ると、その室礼(飾りや調度をその場にふさわしく整えること)はまるで舞台のように感じます。

凛とした部屋のたたずまい。

選び抜かれた花。

数々の道具。

着物に帯。

それを纏う人。

無駄のない動き。

流れ。

お菓子も美しい!

茶碗に入った茶の緑も、茶碗のよって微妙に変わる色合いが美しい。

茶室に入ってから出るまでは、幕が上がり幕が下りるまでの舞台ように、美しいものが次々と現れ、目も心も満たされていくのです。

 

*味覚

これは言わずもがな。

甘いお菓子の後の、お茶の美味しいこと!

懐石や点心があれば、なおのこと。

一つ一つが丁寧に心を込めて作られていて、幸せを感じるひと時です。

味覚を味わうことはバレエではできません。

このことは絶対にバレエは負けますね。

 

*嗅覚

匂いのある花は活けません。

茶室に入ると炭の香り。

お香。

お茶の香り。

開けたてのお茶は特に香り高いですね。

頭がすっきりする気がします。

 

*聴覚

松風。

湯の沸く音。

水や湯が注がれる音。

茶を点てる音。

柄杓が畳に置かれる音。

ふすまの開け閉め。

畳を歩く音。

静かな空間で聞く小さな音。

耳が小さな刺激に敏感になっていき、心がすうーっと落ち着いていきます。

 

*触覚

茶碗に触れる手、唇。

道具を扱う手。

大切にそっと扱うことで、優しくなっていく指先。

畳を感じる足の裏。

着物に包まれる体。

洋服の時とは、全く異なる体の感覚。

柔らかなものに触れることで、柔らかくなっていく心と体。

 

このように五感全てを大満足させる幸せのゆったりした時間が流れます。

刺激が大きくない分、より繊細になっていく自分を見つけられることでしょう。

 

*ポジショニング

バレエはたくさんのポジションがあります。

腕も足も美しいポジション、通り道があり、それを考えなくてもできるように何度も何度も基礎練習をします。

茶道も道具を置く位置。

それを運ぶ道筋があります。

足の置き方、ふすまの開け閉め。

たくさんのポジションを正しく行うことが美しい所作へとつながります。

 

*段取り

舞台をするにしろ、茶会を催すにしろ、本番のかなり前からの段取りが必要です。

お客様に喜んでいただくためには、日頃の精進はもちろん、季節を感じる道具、花、お菓子などを、お客様の顔を思い浮かべながら準備する必要があります。

茶会当日も、流れを頭に入れながら、準備をしっかりとして、スムーズに色んなことが進むようにしなくてはなりません。

 

*コミュニケーション

バレエも茶道も、黙って静かに行われているように感じられるかもしれません。

ですが、もてなす側ともてなされる側、どちらも気持ちよく過ごすためには、招待する際の言葉、挨拶、お礼の言葉、様々な質問に対する答えなど、日頃から臨機応変にすっと言葉が出るようにしなくてはなりません。

何にでも興味を持ち、相手がどんな気持ちでこのようにしたのか、そこを察してコメントができるといいですね。

人を気遣う心配りができて初めて、喜んでいただける時間が作れるのです。

 

 

このような数々の素晴らしい学びをできる茶道。

まずは、美味しいお菓子とお茶を楽しむところから、気軽に体験してみませんか?