気持ちよく走るために ~運動会前のこの時期にやってほしいこと~

子どもたちは運動会に向けて、練習にがんばっていることでしょう。

新学期が始まって、初めての先生や初めての友達、初めての場所・・・。色んな緊張があったと思います。4月はそんな中、体を少し固めていたことでしょう。

ゴールデンウィークが終わり、少しずつ新しい環境に慣れてきたころ、今までの緊張をゆるめたくなってきます。

日差しは強く、暑さにも慣れていないこの時期、疲れがたまりやすく、病気になったり、ケガをしたりしやすいものです。

わたしは陸上部で走るのが大好きで、運動会は大活躍だったのですが、運動が苦手なお子さんでも、気持ちよく走るヒントとこの時期の体と心の

ケアを考えてみましょう。

 そよ風の後押し

『風と踊ろう』では、バレエのレッスンで、”そよ風の後押し”をやっています。

二人組で行います。一人がもう一人の横に立ち、背中側の丹田の辺りに手を当てます。手を当ててもらっている方は自分のペースで歩きます。手を当てている方は、さりげなく後押しをします。だんだんスピードを速めて走り出します。手を当てている方は風が後押ししているかのように押しながら息を合わせて走り、そうっと手を離していきます。

その勢いに乗ってトップスピードで大ジャンプ!

手を当てて押してもらうと、とても楽に走れると感じます。

また、温かい手が添えられていると気持ちがよくて、なんだかうれしくなります。

自分一人で走るときよりも軽くて、風に後押ししてもらいながら走るようです。

この感覚を身に着けて動くと、体が楽に動きます。

運動会でも、風が後押ししてくれてる感覚で気持ちよく走ってほしです。

これは、人を支えるときのヒントにもなります。しっかりと支えるのではなく、あたかもその人自身がやっているかのように、さりげなくそっと手助けをするのです。温かい手がそっとそばにあると、安心しますね。

 詩の力を借りる

工藤直子さんの『のはらうた』より

  はしる

          こいぬけんきち

まえあしで ちきゅうをつかみ

あとあしで ちきゅうをける

まえあしで ちきゅうをつかみ

あとあしで ちきゅうをける

もっともっともっともっと

まえあしで ちきゅうをつかみ

あとあしで ちきゅうをける

いま ぼくは

かぜになる

この詩を『風と踊ろう』のみんなで声に出して読みました。

一語一語、イメージをして、五感をフルに作って表現します。

犬のように前傾姿勢になります。

まえあしは腕で、あとあしは脚を使いながら、床を蹴って声を出します。

足の下の大きな地球を感じて。

自分が子犬になって、全速力でかけていってるとイメージして。

だんだんスピードに乗っていって、”いま”の前で「うわあ~、気持ちいい風!」という感じで両手を空へ向かってあくびをするように広げ、全身で風を感じます。

体がふわっと浮き、きれいな青空に吸い込まれるように、喜びっぱいで”いま ぼくは かぜになる”と言い、かぜになった余韻を楽しみます。

この詩を読んで走ったら、みんなきっとこいぬけんきちくんのように、うれしくてうれしくて風になったように走ってくれることでしょう。

1番になるのが目標だったら、ちょっと辛いお子さんも、”風になってはしる!”だったら、気持ちよく走ってもらえると思います。

たくさんの言葉をイメージしながら、五感を使って表現することは、ダンスの表現力をつけるのに、かかすことができないと思います。自分がイメージしていないことは、お客様には伝わらないのです。

ただ声に出して音読する、ただ形だけを真似して踊るよりも、なりきって、その景色に溶け込み、匂いを感じ、自分の気持ちを感じながら、声に出したり、踊ることが、本物の表現につながると信じています。

家庭での体ほぐし、心ほぐし

*二人ほぐし

『風と踊ろう』で毎回のレッスンで行っている二人ほぐしは、とても気持ちのいいものです。寝る前にこれがあるとないとでは、睡眠の質も、疲れの取れ具合も大きく変わります。是非、家族での大切な触れ合いの時間として、毎日の生活に取り入れてください。

*しっかり抱きしめ

子どもが大きくなってくると少なくなっていませんか?これで癒されるのは、親のほうかも?お母さんと子どもは一心同体。大好きの気持ちいっぱいで親子でじゃれ合いながら遊び、いっぱい笑って、体を動かして、体も心もほっと楽になるといいですね。

お母さんが鼻歌を歌っていると、子どももほっとリラックスします。

*副交感神経優位の食事タイム

美味しいものを食べると元気が出てきます。食べるときは、副交感神経優位です。大事なリラックスタイムです。このときは、しかったり、注意をしたりせずに、楽しく食べてくださいね。お子さんの好きな料理を作ってあげてください。

*大好きなことをしっかりする

学校で、たくさんの人の中で過ごしてきたら、お家では静かに、絵を描いたり、漫画を読んだりして、ほっとするのが好きなお子さんも多いのでは?

運動会の練習で疲れていると思うけど、元気いっぱいに外へ遊びに行く子もいるでしょう。

ゲームや動画を見るのが長いと別の面での問題がありますが、大好きなことをたっぷりするというのは、自分らしく生きるために大切なことです。今の子どもたちは、何かと忙しいですが、ゆったりと自分のしたいことをする時間も大切にしてあげてください。

まとめ

まだまだ、暑さや強い紫外線に慣れていない体は疲れがたまりやすいです。

疲れをスムーズに取るためにも、日々の生活が嬉しい、楽しいがいっぱいで、寝る前や食事の時は副交感神経優位になるように、体ほぐしをしたり、楽しく食事ができるように工夫しましょう。

運動が苦手なお子さんも楽しく体を動かせるように、温かい手や言葉でさりげなく支えてください。

5月のさわやかな風のように、みんなが元気に走ってくれることを願っています。