風と踊ろう
心も体も内側からしなやかにして踊ろう
ブログ

2023年もありがとうございました。


今年は3月に、25年勤めた幼児教室を退職し、「ダンスやボディートークを伝えることに集中していこう!」と決心した年でした。今まで以上に体ほぐしや発声練習を熱心にする毎日です。また、30年近く毎月送られてきたボディートークの会報を整理し、読み直し、ノートも取り直して勉強し始めました。ボディートークの生きる知恵がたくさん詰まっていて、いかに今までぼーっと勉強していたのかと反省しながら(一生懸命学んでいたつもりでしたが)、新たな学び直しを楽しんでいます。

その中で特に心に残った出来事を二つ挙げてみます。

 

舞台で子どもの笑い声

毎年そうなのですが、今年も舞台に向かって毎日を過ごし、無事に舞台を終えることができました。

沢山の方々の応援ご協力のおかげで、私の心のよりどころの八所宮で,今まで以上に喜んでいただけた舞台を創ることができたと思っています。

とてもうれしかったことは、舞台上で子どもたちが自然に楽しそうに笑い声を出していたこと!こんなことは初めてでした!

いつも、出演者1人1人が笑顔で、最高のパフォーマンスができるように、緊張の中にもリラックスして楽しんでもらいたいと、事前のウォーミングアップには心を配ります。たくさんのお客様の前で今までの成果を披露するたった1度きりのチャンスには緊張して当然です。体も表情も硬くなりがちですが、こんなときこそ、声を出して、力を抜いて、心も体も頭もすっきりとまとめていきます。

出たくないという子、なかなか立ち位置やきっかけの音を覚えられない子、自信がなくてついつい横眼で回りをうかがってしまう子、周りを気にせずに動いてしまう子など、様々ですが、『ボディートーク』の知恵を駆使して指導に当たります。私自身が温かい息で声がかけられるように、まず自分自身の心ほぐし体ほぐしをします。みんなの力が本番で最高のものとなるように、どんな言葉を書けたらいいのかを考えます。

参加者もスタッフも全力で舞台を創っていきますが、お互いが温かく励まし合い、支え合い、出演者は本当に安心して舞台に立つことができ、とてもありがたいです。そんな中だからこそ、のびのびと踊ることができるのです。

そして、全員で全力を出した経験は、なにものにも代えがたい大きな自信や力を得ることができるのです。

来年もさらに進化した舞台を創れるように、真摯に学び、舞台の内容を深め、メンバー1人1人のいいところを引き出していける力をつけていきたいです。

 

骨折で経験した大きな喜び

「人生何が起こるかわからない!」と、よく言われますが、どこか他人事でした。

でも、自分の身の上にも降ってきました!

たくさん実ったすももを主人と収穫していたときのことです。

前日の舞台で、疲れのピークにあった主人が手を滑らせて、木から私の上に落下してきたのです。

足首が折れた!とはっきりわかる曲がり方でした。

思ったほど痛みはなく、病院へ。

最初、早くて3か月かかるだろうと言われ、まず頭に浮かんだのは、「舞台に間に合うか?」ということでした。入院してボルトを入れるというほどはひどくなく、生まれて初めてギプスに松葉杖を経験しました。慣れてないのと、動揺していたせいか、病院を出るところで転倒。2次災害には要注意!ということも学びました。

骨折のおかげで学んだことは、たくさんあります。

人の痛みが少しはわかるようになったと思います。

たった1日足を動かさないと筋肉がどういう状態になるかもわかりました。怖くて全く動かせなかったのです。恐る恐る指先を動かそうとしたら・・・動かない!自分の足じゃないかのように動かそうとしても動かないのです。

そこからは「ボディートーク」の知恵を駆使してのリハビリです。

先生に電話をして、アドバイスを受けました。

先生から骨折の状況を細かく尋ねられ、自分自身の気持ちを整理することができました。

「大塚君は無事だったの?大塚君を助けたんだね。」

そうだ、私がいなかったら、主人は大変なことになっていた、そして、今こそ、長年学んできたボディートークの知恵を実践するときだと思いました。

ボディートークでは、発声練習で”牛の声で全身を響かせる”というのをよくするのですが、”牛の声が骨折や体の色んな不調に良く効く”というのは有名で、自分の身体で確かめるチャンスです。直接足首まで口が届いたので、それもしょっちゅうやりましたが、全身に響かせるのがよいということで、発声練習もたくさんしました。

日常生活も工夫しました。片足ばかり使うとバランスが悪くなるので、なるべくハイハイで移動。全身の血行がよいことが早く回復させることにつながるので、体ほぐしもこまめにやりました。

ダンスのレッスンもできる範囲で教えていましたが、動きたくてたまらず、お尻や背中やひざを床について踊ってみたら、結構踊れる!いや思いっきり踊れる!ということに気づきました。

そして、この状態でも踊れることの幸せをかみしめました!

立てなくったって、踊れてうれしい!!!

私の体すごい!ありがとう!

喜びや感謝は免疫力を高めます。

こうして、なんと3週間でギプスを取ることができたのです。

人間の力ってすごいなぁと、ボディートークの知恵も素晴らしいなぁと、感動しました。

 

これから年齢を重ねていくと、今までできていたことができなくなったり、もうこんな目には合いたくないけれど、何が起こるかわかりません。

でも、起こってしまったことに、いつまでもショックを受けていることなく頭を整理して、自分で自分を元気にできる力を信じて体を整え、今生きている喜び、踊れる喜びいっぱいに毎日を過ごしていきたいと思います。

 

今年の舞台のタイトルは『えん』。

ご縁をいただいたすべての方に感謝して年の瀬を過ごしております。

来年も、真剣に学び、伝え、楽しんでいきます。どうぞよろしくお願いいたします。

ABOUT ME
大塚 祐三子
風と踊ろう代表。外での野外ダンス、創作ダンス、マタニティ、大人の表現活動などの舞台をやっています。